huruyama blog

学びや子育てやホームスクールなどなど 古山明男さんのコラムが大好きなので ご本人の許可を頂き紹介しています。

恐怖を慈しむ

古山です。

冬型の天気になってきたら、朝からスカッと青い空が広がっています。
そこを散歩するのって、気持ちがいいですね。

不登校のお子さんをお持ちの場合、子どもが学校に行かなくなった。将来がどう
なることかと、怖かったですねえ。世間からどうみられるかと怖かったですねえ。
それは怖くて当たり前です。私たちは、学校で育てられたのですから。

いいんです、怖くて。
いまあなたに必要なのは、「怖かったねえ」と言って背中を撫でてくれる人です。
なかなかそんな人がいないのですが、自分で自分の胸を撫でて「怖かったねえ」
と言うことはできます。それで、けっこう「ああ、怖かった」と思えます。
恐怖に駆られているうちは「ああ、怖かった」と思えないのです。

自分で事情を了解し、愛し慈しむことができること、それが大人であることのあ
りがたさです。子どもだと自分ではできません。

この「ああ怖かった」が感じられるようになると、子どもと波長が合うようにな
ります。不思議なものです。
そこから、別な系列の出来事が展開するようになります。

ああなれ、こうなれと思っているうちは、ラチがあかないです。

恐怖に取りつかれると、やることも考えることも自分中心になります。
さりとて、恐怖をなんとかしようと決意しても努力しても、どうにもならないも
のです。なんとかしようとすること自体が、恐怖にかられての行動です。

こういうことは、さらりと理解して、それ以上決意したり努力しないほうがいい
です。

「ああ、怖かった」と言って、青空でも見ているのがよろしいようです。
いまの季節ですと、椿や山茶花がけっこうきれいに咲いています。
イチョウの木にまだ残っている黄色い葉も風情があるものです。


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古山明男