huruyama blog

学びや子育てやホームスクールなどなど 古山明男さんのコラムが大好きなので ご本人の許可を頂き紹介しています。

木登り



古山です。

さまざまな遊びの中にも、定番と言えるようなものがあります。

その一つが木登り。

先日の東京でのお遊び会でも、昨日の科学遊びの会でも、木登りがはやりました。

木登りは、すごい全身運動です。どうやって登るかの戦略と判断力、バランス感
覚、筋力、動きを組み合わせる巧緻さ、みんな必要です。
型にはまった能力ではなく、その木ごとの形状、性質を見抜かなければなりませ
ん。だから、おもしろいのです。

木登りには、高い倫理性があります。木に登る目的? そこに木があるからだ。
人間が高みに登ろうとすることに、理由などつけられるものか。
そして、上に登ったときの、視野の広がり。たまらないですね。

木に登るときは、いつも危険と隣り合わせになります。「怖い」という思いと自
分の中でどう付き合うか。その子なりの答えを出す必要が生じるのです。
この「怖さとつきあえる」ということ、生きていく上で、ものすごく重要なので
す。怖さを無視しない、なおかつ怖さに圧倒されない、その両方の中でバランス
を取ること。これはとても大事な、生きることの知恵です。

木登りそのものが、生きることの予行演習になっているのです。

教育とは、「木登りして落ちても叱られない」という場を作り出すことだと思い
ます。

 

木登りしやすい木は、シイの木です。シイの木は低いところから枝分かれがあっ
て、登りやすいのです。公園にあるシイの木は、スダジイマテバシイです。ど
ちらもドングリがなります。

千葉公園にシイの木がたくさんあります。あらかじめ調べて難易度のA,B,C
みたいなのをつけた地図を用意し、木登り会みたいなのをやろうかなと思います。

あと、木登り名人の大人がいるといいのですが。
難しい木に、見事に手をかけ、足をかけ、スルスルッと登っていく人がいる。そ
れを見ているだけで、大事なことが伝わるのです。

 


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古山明男