勉強を教えると親子バトルになるのは必然か?
つくばのほうに招かれて、「自由な教育」について話をさせて
もらいました。
質疑応答をするうちに、
「子どもに勉強を教えると、かならず親子げんかになってしまいます。ホームス
クールなど無理そうです」
というものがありました。
いやあ、そうなんですよ。
親が子どもに勉強を教えると、7~8割は、親子げんかで終わります。そういう
ものなんです。
では、それが必然なのかというと、そうではないんです。
原因は、使っているテキストのせいです。
学校の教科書タイプは、一歩一歩わからせようとして、踏み外させまい、ここを
確認して次に進む、みたいなのがいっぱいある。さりとて、いいからとにかくこ
こやってごらん、とはしょればわからなくなる。
あれは、学校の授業のためにあるんです。
親子向きではないんです。
学校のテキストを親子でやると、いちいち「これは、そうじゃなくて、こうでし
ょ」というのを入れざるを得ない。子どもは、自分の意識の流れに親が干渉する
のをすごく嫌うんですね。それでキレちゃうんです。学校でなら我慢できること
なのですが、親子というのは、感情にウソがないというのが、もっとも美しいと
ころですから。
キレずにやれる場合もあるけれど、これは子どもが教科書を読んだだけでわかっ
ているとき。ほんとは親がいらない。
でも、親が子どもに絵本を読んでやって、バトルにはならないでしょう。
絵本を一緒に読むように、いっしょに絵を描きながらストーリーを作っていく。
あるいは、いっしょに、モノや人形を置きながらジオラマを作っていくような感
覚なのです。
教科書を追うようなことをしないで、ものを並べて遊んだり、いっしょに絵を描
いたりするんです。そこにちょっぴり下心を入れて、「あと何人いたら10人に
なるかな」というのが、現れる。
そんなやり方です。
子どもといっしょにあそべる人形キャラクターを用意してあるのも楽です。
とにかくこのキャラクターたちがいれば、なんかストーリーがはじまるから、そ
れで遊びます。その日は勉強にならなくたって、べつにいいさ、いっしょに遊べ
たんだから、くらいの感覚。
古山明男