huruyama blog

学びや子育てやホームスクールなどなど 古山明男さんのコラムが大好きなので ご本人の許可を頂き紹介しています。

どうして学校に行かなければいけないの?

古山です。

信濃毎日新聞という地方新聞にコラムを寄稿しています。
きょう掲載の記事を、こちらのMLにも出します。
どうして学校に行かなければいけないの? ほんとうにそんなにいい所なの?
この問いをずっと持っていました。
小学校1年生になったときから、60歳を過ぎた今にいたるまで、ずっと、ずっと。

今持っている答えは、こうです。
学校に行くことが法律で決まっているから。

それは教育上の問題ではないじゃないか。そう反論されるかもしれません。
その通りです。教育上の問題ではありません。
教育上の問題ではないところで、学校に行くことが決められていて、無理やり行かされるのです。

それで、親も、教師も、生徒も、学校はいいところだと信じたくなる。
でも学校は素晴らしいところだという理屈は、後からつけられたのではないでしょうか。
学校がつまらないという子どもたちを説得するには、
学校は素晴らしいものでなければならないのです。
学校は楽しいところで、子どもは生き生きしていて、子どもたちは能力を伸ばしている。
それは、本当ですか。
学校はつまら
なくて、子どもたちは萎縮していて、授業は手いたずらと居眠りだらけではないのですか。

もちろん、現実は両方の面があります。
学校は、楽しいときも、つまらないときもあります。
しかし、法律による就学の強制がなくなったら、どれだけの子どもが学校に来るのですか。

私が幼稚園と小学生のとき、教師と親の「我慢が大切」に苦しめられました。
やがて、学校についての苦しみを訴えるのは諦めてしまいました。
中学と高校は、学校や教師に対して何も期待せず主張せず、
友達とふざけあって生きました。
教師たちが、お仕事だからと型どおりこなしているだけなのは、見え見えでした。
教師たちというのは、自分の授業がつまらないことを棚に上げて、
生徒を競争させたり、懲罰を与えたりする連中でした。

現実の義務教育学校は強制就学の上に成り立っています。
高校も、半強制です。
学校がすさんでいても、子どもたちは行き続けなければなりません。
親たちには、「よい学校を提供してもらえないなら、自分で教育を手配します」
という選択権がないのです。
いっぽう教師たちは、規則と慣習でがんじがらめです。
それで、けっきょく教師も親も、「耐えることが人間を作り上げる」という哲学に
逃げ込んでしまいます。
そして、他人に向かって「頑張れ、頑張れ」と言い続けるのです。
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古山明男