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huruyama blog

学びや子育てやホームスクールなどなど 古山明男さんのコラムが大好きなので ご本人の許可を頂き紹介しています。

文学の勉強

古山です。

Uさんのお嬢さん(中1年齢)から、文学の勉強方法を尋ねられました。
思うところをお答えしました。
> 文学はどういうことをするのか、文学を自分で勉強していく方法を知りたいです。

文学のすることは、詩や小説、物語などを書いて、
たくさんの人が深いところで感じていることを、言葉にすることです。
「そうなんだよ、そういう気持ちなんだよ」とか「ああ、そういう冒険がしてみたい」ということを、
言葉にすることなのです。

文学を生み出している人たちは、ほんとうに大事なことはみんな一人で勉強しています。
大学の文学部で優秀な成績をとったから、よい小説や詩が書けるということではないのです。
よい文学を生み出している人たちが、どういう学校に行っていたかは、さまざまです。

でも、その人たちに共通しているのは、本が好きでたくさん読んでいることです。
本は、読みたいものを読むことです。なんでもいいです。
面白いと感じるものがいいです。
面白いと思うものを読んでいれば、自然に、言葉や表現の仕方は覚えます。

ほんとうに大事なことは、心に嘘をつかないことです。
感じていることを、出来合いの言葉に置き換えてしまわないことです。

大人になってしまうと、多くの人は、まず言葉があって、それに従って感じています。
花を見て、「美しい」という言葉がまず出てきてしまって、
美しさそのものを十分に感じ取るひまがないのです。それで、世界が狭くなってしまうのです。
でも、中学生くらいの年齢なら、まだ、言葉にできないことをたくさん感じています。
その時期が大切なのです。
わけのわからない気持ち、言い表しようのない気持ちがたくさんあります。
それを、言葉にできないまま大事にすることです。
心を込めて、「ああそうだねえ」と感じているのです。
そのように大事にしていると、やがてそれは言葉になってくれます。

それは、詩となって現れてくれるかもしれません。
それは、物語となって現れてくれるかもしれません。
とにかく、それは、現れるのです。つまり書きたくなって、書くのです。

本の世界では、いろんな人に出会うことができます。
本を読むということは、もっとも賢い人たちとお話しできるということです。
その人たちが、「こんな本もある」ということを、次々と教えてくれるでしょう。

文学を自分で勉強するのに、読みたい本を読む以外に、
勉強の方法などありません。
でも、「このことは大事だ」ということはあります。
それは、生活するのに必要なことをしていることです。
お母さんに、料理、洗濯、掃除などを少し分けてもらうといいです。

これは、「お手伝いをするよい子になる」ということでは、決してありません。
この世界とつながる、ということなのです。
食べるもの、着るもの、住まいを整えることなど、
生きていくのにどうしても必要なことを、自分ですることなのです。
そうすると、生きていく深い自信が湧いてきます。
いろんなことを工夫し、できるだけたくさんの感覚を使うのです。
食べ物の味、香り。服の肌触り。指先を使う感覚。
布団にもぐりこんだときの暖かさ、すき間風の寒さ。
そのほか、たくさんの感覚。

生活を大事にし、自分の感覚を大事にしていると、自由がやってきます。
つまり、自分で自分に命令するのではなく、生きられるようになります。
自由は、「感じる自由」から始まるのです。
それは、たくさんの花が咲き、動物たちが住んでいる野原で暮らすようなものです。

そこで見つけたものは、ほかの人にも伝えたくなるものです。
それが、文学をするということです。
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古山明男