huruyama blog

学びや子育てやホームスクールなどなど 古山明男さんのコラムが大好きなので ご本人の許可を頂き紹介しています。

社会性のできかた

「子どもの社会性を育てるには、学校の集団生活が必要である」ということが広
く信じられています。しかし、これは、事実と違います。

子どもの社会性は、信頼できる人との関係から発達していきます。

信頼できる人間関係を持っている子どもは、家庭以外の場に行って、自分がした
いことがあると、親の顔を一瞬チラッと見るものです。この場で自分のすること
が許されているかどうか、判断しているのです。
この判断をしている子は、そう滅茶苦茶なことはしないものです。また、まずい
ことをしたときも、親から穏やかに「それはまずい」と伝えれば、それで理解し
ます。

子どもは、外界に対して無力です。信頼できる人を求め、その人の判断に従うも
のです。それは、本能的にやります。そうやって安全を確保した上で、自分が取
り組む世界を作っていきます。

俗に言う「しつけがなってない」子どもは、しつけていないことが原因ではなく、
信頼できる人、ということなのです。だから、ただ集団生活を送らせれば社会性
が身につくというものではありません。

信頼できる人を持てなかった場合に、大きくわけて2種類あります。
一つは、指示、アドバイスが多すぎた場合です。子どもは自分の判断を持てず、
大人のいうことを意図的に無視したり、逆のことをしたりします。
もう一つは、放任され忘れられた子どもになってしまうことです。子どもは判断
基準を持てず、いろんな衝動に従うだけになります。

しつけに関しても、子どもが信頼と模倣によって獲得するのが自然なものです。
賞罰によるしつけは、不自然で、子どもの内発的なものを歪めます。

信頼できる人がいる、ということが重要なことでして、学校に行ったから行かな
かったからということではありません。ホームスクールだから社会性が育たない、
ということはありません。

古山