ホームスクールで何を教えるか
古山です。
ホームスクールで何を教えるか、って?
それは、幸せに生きるコツでしょう。
もちろん、何を教えたってかまわないのですが。
多くの人が、危険なジャングルの中で生き抜く時のような、サバイバルモードに
なっています。必死に頑張らないと生きていけない、って思い込んでいます。
これだけ平和な世の中なのに、まるで戦時中体制になって生きている人がたくさ
ん。そういう人たちは、「あれは良い、これはいけない」だらけで、条件反射を
繰り返していて、感じているひまがない。
学校は、組織ぐるみでまだ戦時中体制です。整列させて行進させて、成果を出す
のに必死にさせて...。すべての学校、すべてのクラスというわけではないけ
れど。
必死で頑張らせれば、それなりに成果は上がるのですが、人間の伸びしろを大量
消費しているんじゃないですか。
人間が一番力を出すのは、幸せな時なんだ。幸せな時は共感できるし、物事の中
に深く入り込めるから。
子どもは、かんたんに時を忘れて熱中できるようにできてます。子どもには学ぶ
ことがたくさんあるからでしょうね。
きょうは、秋の、それはそれは美しい一日。
コスモスの咲く季節だから、コスモスの花を探していました。コスモスの花は花
びらが8枚です。コスモスの花がいくつか写っている写真を見せて「花びらがぜ
んぶで何枚だ?」っていうのを作りたかったもので。
遊びです。「できなきゃならない」から算数を解放したい。きれいなだけの算数
を作りたい。
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古山明男
生きる力と泣く力
古山です。
昨日のお遊び会も楽しかったですね。
子どもの生きる力を育てようとするとき、子どもが泣くことを肯定的に捉えるこ
とは、そこからすべてが始まると言っていいくらい大事なことだと思います。
柔道を初心者に教えるとき、まず受け身を教えます。投げられて床にたたきつけ
られたときの衝撃を和らげる方法です。まず受け身を覚えて、大けがを防ぎます。
子どもにとって、泣くことは、この受け身に相当します。苦痛、失望、挫折、な
どがあったとき、全身全霊でそれを受け止め、身体の力を使って押し流してしま
うのです。
泣いた後、子どもはケロリとして、遊びに出かけていきます。その姿を見ると、
泣くことがどんなにすごい力を持っているかがわかります。
昨日のお遊び会で、小さい子に何か起こって、親のところに来て泣く姿に2回出
くわしました。どのくらい泣いているだろうかと計ってみたら、30~40秒程
度でした。ほぼ1分くらいで、さっきあったことはすっかり忘れて、次の遊びに
熱中していました。
たった、数十秒のことなのです。それで、あんなにクリヤーになれる。
子どもが泣くと、大人は、なんとか泣き止ませようとしたり、何が原因か、誰が
悪いのか、何をアドバイスしたらいいのか、などと考えるものです。
そんな必要はありません。子どもにとって、心の整理をつけるためのプロセスが
進行しているだけです。ときには、対応が必要な場合もありますが、そのときは
子どもの泣き方が違います。
子どもが、泣くことによって生きる困難をくぐり抜けていく様子がわかると、生
きるエネルギーと調和するやりかたがわかってきます。
子どものことがわかると、自分のこともわかってきます。
自己認識は、言葉による反省ではなくて、自分の中でどのようなプロセスが働い
ているかを、直接に感じ取れることです。
これは、誰にとっても、一生をかけて発展させていく学びなのだと思います。
古山明男
能動的な行動のほうが脳が活性化
古山です。
池谷裕二という脳科学者が、自分の娘の4歳までの成長を書いた
「パパは脳研究者」という本があります。
その中に、おもしろい一節がありました。
以前、ネズミの脳の研究をしていて気づいたことがありました。ネズミのひげ
にものが触れたときの脳活動をはかると、同じものに触れる場合でも、自ら積極
的に触りに言ったときは、他者によって触れさせられたときに比べ、10倍くらい
強い脳反応を引き起こすのです。能動的に行動する方が、脳が強く活性化する。
そんな脳の原理を知っているだけに、ベビーカーに乗って受動的に動かされるよ
りも自分の足で歩いて移動したがる娘に、できるだけ欲望通りにさせています。
そもそも脳は、自ら決断して、積極的に行動することによって成長しますし、
人間にとって能動的に動いたときの快感は、受動的な行動よりもずっと強いもの
です。
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古山明男
茂木健一郎 講演 youtube
古山です。
活躍中の脳科学者、茂木健一郎の教育に関するたいへんおもしろい講演が
Youtubeにあります。
のっけから
「結論から申し上げると、学校行く必要ないんじゃないでしょうかね。学校そも
そもいらないんじゃないですか。あと国の学習指導要領とか、いらないですね」
https://www.youtube.com/watch?v=7YpOp6YsPAg&feature=youtu.be
2017年8月26日、「登校拒否・不登校を考える夏の全国大会」(東京、早
稲田大学)における茂木健一郎の講演です。
「学校よりも、フリースクールとかホームスクールとかいうもののほうが、実は、
ベストプラクティスに近いということを、私はいろんなエビデンスとか、脳科学
的考察から確信しています」
爆笑の連続。とにかくおもしろいです。
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古山明男
幸福な生き方
子どもが、
と思います。きょうを幸福に生きる。その術を知っていれば、
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古山明男
子供の探求をサポートすること
古山です。
8月26日、27日に東京有明で行われた「未来の先生展」に行って来ました。
自分たちで何かやろうとしている人たちを、片っ端から呼び集めているので、熱
気のある独特の世界ができていました。広々した野原に、たくさんの野の花が咲
いているようなものです。教員の免許更新講習では、ぜったいに現れてこない熱
気。
教育というのは子どもの探求をサポートすることなんだ、教育の主人公は子ども
なんだということが、当たり前の基盤になっていました。
19の教室で同時にいろんなワークショップやプレゼンテーションが行われ、それ
ぞれの教室が90分講座を一日4コマ、総計135コマという大規模なものでした。
2千人くらい集まっていたのではないかと思います。
ホームスクールの講座も一つありました。
全体のオーガナイザーをやっていた方が、オルタナティブ教育にも熱心な方で、
シュタイナー、サドベリー、モンテッソーリなどいろいろ参加していました。み
んな入り乱れてやっているのがおもしろかったです。
学校だろうが、学校外だろうが、子どもにとって良ければそれでいいんです。
「黒板とチョークの授業を終わらせよう」が、共通した思いだったと思います。
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古山明男
生きていくのに大事なこと
古山です。
子どもに、生きていくのに最も役に立つことを手渡したいと、私たちは願ってい
ます。この子たちに、ほんとうに幸せになってほしいのです。
では、何を手渡しましょうか。
財産を渡しても、賢く使えるかどうかはわかりません。
学歴や資格も、葛藤の多い人生になることから防いではくれない。
生きていくのにもっとも大事なことは、恐怖にどう対処していくかのアートを伝
えることだと思います。
アートというのは芸術という意味もありますし、技法・技術という意味もありま
す。
私自身、したくもないことをいろいろ仕出かしました。それは、たいていは怖さ
紛れです。
自分が誰の言うことにも耳を傾けなくなるのは、怖いからです。
見栄を張るのは、怖いからです。
相手を攻撃するのは、怖いからです。
自分に自惚れるのは、怖いからです。
何かに耽溺するのは、怖いからです。
教条にしがみつくのは、怖いからです。
どうしてそんなに怖いの?
怖かったときに、「ああ、怖かったねえ」と言って背中を撫でてくれる人がいな
かったから。
自分で自分を「ああ、怖かったねえ」とハグできないから。
それで、いろんなカスを掴んでしまった。
耳を澄ませれば、この世界はたくさんのことを語りかけているのに。
親たちも先生たちも、「~すればいいのに」と「もっと気をつけなさい」しか持
っていなかった。それは、大人たちが自分の恐怖に直面しないで済む手段だった。
怖さを認識できるところから、明晰さが生まれます。
怖いまんまでいい。
自分の中の子供が怖がっていることを慈しめるのが、大人というものです。
恐怖をどう生きていくかのアートがあれば、いろんな能力は、おまけのようにつ
いてきます。恐怖がなくなれば、意欲は自然に出てきます。
現代の主流の教育観、つまり、人材を育てることと稼げるようになることは、大
事なポイントをはずしたままだと思うのです。
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古山明男